個人主義は悪いこと? 痛みを伴う集団から私事への移行
「最近めっきり若い人が職場の飲み会にも参加してくれなくなった。いったい何を考えているのか分からない。自分たちの世代と働くことや会社への帰属意識もまるで違う」「最近の母親は、なっていない。子育てに対する考え方が昔と違ってきている」「町内会への活動などに若い人が興味を示してくれない」といった声をよく聞く。2016年4月からアラサー世代に着目したドラマ「ゆとりですがなにか」が話題となった。この記事を書いている本人もそのアラサー世代にあたる。 関西の都市部から離れた農村集落地域で親族や地域の結びつきの強い地域で育ったので、幼少期からの記憶を呼び戻すと、確かに村や会社への帰属意識が強く、個人より集団を重んじる古き良き日本的な社会からすると、現在社会は大きく変わった。 そこでこの記事では、現代社会の深層に流れる日本社会の基本的な動向の一つとして、私たちの暮らしに良いことも悪いことも生み出している「私事化」について考える。 良い面もたくさんある 問題と捉えた場合、昔の良き日本社会と照らし合わせがちで、私事化は由々しきことだと考えがちであるが、私たちの人生に自由
英国EU離脱と日本の貧困 逆転現象が招く社会問題
近々のグローバル課題はイギリスのEU離脱による世界経済への影響だ。6月23日のイギリスの国民投票でEU離脱が決まったのを受け、欧州経済の先行き不透明感や金融市場の混乱などが懸念されている。ロンドンなどに支店を構える日本企業は移転を検討するなど、今度の離脱に向けたEUとイギリスの交渉が注目されている。グローバル経済への行き詰まりを表す象徴的な出来事だ。 日本の国内の問題に目を向けると、老後破たんなど子ども、女性、高齢者など共通して貧困による生活が破たんする問題が身近な話題として取り上げられるようになった。多くの人々が不安を抱え、生きづらさを感じ、日本人海外長期滞在者が帰国し「モノが溢れていて気持ち悪い。精神的な豊かさがないと」と口に漏らす。 このサイトの専門である移動や交通分野では、既存の公共交通や自動車移動の形態では、地域の移動が確保できない状態になっている。人口増加と経済成長が望めた大量輸送時代とは異なる発想で検討がなされるようになった転換期にある。 グローバル、国内、そして移動の問題を考えるとき、私たちが生きるために一番大切なもの何か。個別で