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外国人観光客4000万人に向けて動く日本~成長産業の移動・交通~

2016/11/07

 人口減少する日本。自然増による人口増加が難しい。そこで観光が重要なカギとなっている。政府は2016年3月30日に「明日の日本を支える観光ビジョン」を策定し、2020年までに外国人観光客を年間4000万人に増やす目標を掲げている。2016年10月31日の観光庁の発表では、2016年の訪日外国人観光客が10月30日に2000万人を突破したと発表した。

 東京と大阪を結ぶ「ゴールデンルート」の人気は依然高いものの飽和状態にある。近年では欧米人のリピーターは地方に目を向ける傾向にあるのだという。大切なのは地域の伝統、歴史、建造物などに関連したストーリーを構築すること。そのストーリーに沿って人やモノの潤滑油となるのが移動手段の役割だ。そこで地方バスやタクシーに注目が高まっている。閉じた地域の中で地域住民への輸送を担ってきた地域交通のバスやタクシーでは言語やサインなどユニバーサル化やリピータを増やすためのサービス水準の向上が大切になる。地域の魅力を発掘し、その目的地と結ぶタクシーやバスの企画力が問われている。

 高齢化と人口減少する地方都市には“新住民”として海外旅行客を既存住民と区別なく取込みむことが欠かせない。国を挙げて新住民となる外国人観光客の増加が地方で増えるのだから移動や交通が果たす役割はかなり大きく、移動や交通は成長産業といえる。

 このように人の移動は単なる移動と考えることはもったいない。産業、雇用、地域資源、医療、教育と分野横断的に関係しており、地域経済としてどのように考えるか、都市経営としても考える必要がある。イノベーティブという言葉と少し無縁な地域交通。しかし今ある機会を新しいアイディアへ転換すれば、これまでの問題も大きく解消されることも十分考えられる。欧米など海外では遊び心あふれる新しいアイディアのトライアルが多く行われているようにだ。専門分野に長年携わると、無意識に専門的以外のことに目を向けれなくなる傾向がある。分野外とのかけあわせにより、これまでの考え方に固執しない良いサービスが生まれる可能性がある。

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